2005 Fiscal Year Annual Research Report
タウリンの動態解析による生体内での新たな役割の解明
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04J10351
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 健夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | tRNA / ミトコンドリア / 転写後修飾 / タウリン |
Research Abstract |
tRNAのウォブル位における転写後修飾は、正確なデコーディングが行われるために必要なプロセスである。ヒトミトコンドリア脳筋症MELAS・MERRFの原因点変異を有するミトコンドリアtRNA^<Leu(UUR)>、tRNA^<Lys>はウォブル位の修飾が欠損しており、この修飾欠損によりコドン認識能に異常を生じることが発症の原因であると考えられている。ヒトミトコンドリアtRNAのウォブル位修飾ウリジンである5-タウリノメチル(-2-チオ)ウリジンの修飾構造の一部は細胞外タウリンに由来することを明らかになったことから、タウリン欠乏症と修飾欠損との関連について、タウリン欠乏症を発症することが知られているネコを対象にミトコンドリアtRNAの解析を行っている。 ネコ組織から抽出した総RNAに、tRNA配列特異的なDNAプローブを用いて標的tRNAのみに^<32>Pラベルを入れてtRNAの修飾欠損を検出する手法に替わり、単離したミトコンドリアtRNAを高速液体クロマトグラフィー/マススペクトロメトリー(LC/MS)で解析し、修飾欠損を直接的かつ定量的に検出する手法への切り替えを検討している。微量のミトコンドリアtRNAでも十分な解析が可能となるようにLC/MSの感度検出の向上を試みている。また、ミトコンドリアtRNAの単離は煩雑な操作が要求されるため、当研究室で開発された、tRNAを単離操作を自動で行う装置の利用も検討中である。
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