2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J10375
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 順子 (西原 順子) 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | TGF-β / DLG / APC |
Research Abstract |
TGF-βスーパーファミリーシグナルは他の様々なシグナルとのクロストークが報告されておりWntシグナルもその1つである。そこで、Wntシグナルの構成因子の1つであるAdenomatous polyposis coli(APC)の結合因子として同定され、癌抑制因子として働いていると考えられているDorosophila discs large tumor suppression protein(DLG)の生体での機能を明らかにすることを目的とし、研究を行っている。これまでの本研究室の研究によりSfrp2がDLGのターゲット遺伝子であり、転写因子であるRunxにより転写が調節されている事が解明された。そこで実際に生体内でもこの分子メカニズムが重要である事を示したいと考えた。DLGノックアウトマウスでは腎臓や心臓で異常が観られる。そこで、異常が観られたDLGノックアウトマウスの組織でSfrp2の発現の変化を免疫染色により検討したが、明らかな差は観られなかった。その他、DLGノックアウトマウス由来のMEF細胞ではWntシグナル構成因子であるb-cateninの細胞間での発現が上昇している事や、b-cateninのタンパク質が安定化している事が明らかになった。さらに、Wounding assayによりDLGノックアウトマウス由来のMEF細胞はmigration能が亢進していた。この現象がSfrp2の発現量の差によるのか、またはAPCなど他の分子を介した現象なのか現在解析中である。
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