2006 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物ホウ素トランスポーターの発現制御機構と膜輸送機構
Project/Area Number |
04J10401
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 順平 東京大学, 生物生産工学研究センター, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 植物栄養 / トランスポーター / エンドサイトーシス / チャネル / ホウ素 / 極性輸送 |
Research Abstract |
ホウ素欠乏および過剰害は、作物の生産性を低下させる農業上の問題点である。私たちは昨年度までに、シロイヌナズナホウ素トランスポーターBOR1を同定し、低ホウ素条件下で機能すること、そしてそのホウ素栄養条件に応じた活性制御は主にBOR1タンパク質の細胞内輸送(エンドサイトーシス)によることを明らかにした。また、シロイヌナズナBOR1を過剰発現するシロイヌナズナ形質転換植物において、体内のホウ素輸送効率の上昇と低ホウ素条件下での生育の改善を観察し、本年度に発表した(Miwa et al. 2006 Plant J)。さらに、水チヤネルに相似するシロイヌナズナ膜タンパク質の一つNIP5;1がホウ酸チャネルとして機能し、低ホウ素条件下のホウ素の根への吸収に必須であることを明らかにし、本年度に発表した(Takano et al. 2006 Plant Cell)。 本年度の主な成果は以下の二点である。 1、内生のプロモーター制御下で発現させたBOR1-GFPは、根の様々な細胞において、特に中心柱よりの細胞膜に極性をもって局在することと、高濃度のホウ素の添加によってエンドサイトーシス経路で分解されることを明らかにした。さらに、豊田敦至氏(東京大学大学院生)と共同にてBOR1相同タンパク質とのキメラタンパクや、変異型BOR1タンパク質を作成し解析し、BOR1の細胞内輸送のメカニズムの一端を明らかにした。本成果は植物生理学会松山大会(2007年3月)において発表した。 2、酵母BOR1pは、細胞膜局在型の排出型ホウ酸トランスポーターであり、細胞内のホウ素濃度を低下させることにより、ホウ酸過剰耐性に寄与することを小林正治氏(東京大学大学院生)らとともに明らかにした(Takano et al. 2007 FEMS microbiology letter)。
|
Research Products
(5 results)