2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J10474
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮 京 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 日本政治史 / 戦後政治 / 鳩山一郎 / 自由民主党 |
Research Abstract |
(1)鳩山一郎の伝記的研究でもあるため、周辺資料、鳩山内閣関係者のご遺族へも働きかけた。次に、自由党系のみならず第二保守党系といった諸政党に関しても資料収集をすすめた。積極的に資料収集をすすめ、特に、未だ全てを収集されてはいない政党機関紙について集中的に収集を考えていたが、成果はうまくあがらなかった。以上が文書資料に関する状況である。 (2)次に、近年盛んになっているオーラルヒストリーの手法や成果を積極的に取り入れた。ご遺族のみならず、戦後の証言者と言える政治記者を対象に、積極的にインタビューを試みた。 (3)以上の資料や方法を使用し、戦後の鳩山一郎の政治行動、戦後の自由党組織に関して研究をすすめた。戦前の政友会の党組織と戦後の自由党の党組織を比較し、また結党の過程や役員人事を見ることで、特に党三役の役割・権限に着目した。鳩山が公職追放された後は、吉田の支配する自由党の変容を考察した。今後は、公職追放解除後の鳩山と吉田の抗争、そして鳩山側の挑戦を退けた吉田による党則改正、鳩山による日本民主党の結党、鳩山内閣の成立、日ソ交渉、更には鳩山後継の総裁公選を視野に入れて、鳩山に視点を設定して研究をすすめる。 (4)研究をすすめる過程で明らかに出来た自由党の党組織の変容に焦点をあてた「吉田茂の政治指導と党組織」を報告、論文として公刊した。吉田茂が自由党を支配する過程を検討し、党人派の実態や党三役のキャリアパスと職責の変容を明らかにした。後者は政党史研究上に意味のある知見である。 (5)第二保守党系と鳩山との関係に関しては今後の課題である。反吉田の象徴としての鳩山は戦後史の中でまだ十分に位置づけられていない。政策面も含めて、鳩山の政治史的位置づけに関して研究をすすめたい。
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