2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J10518
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
砂原 庸介 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 地域社会 / ガバナンス / 評価 / 公共性 |
Research Abstract |
2004年度は、研究課題である「地域社会のガバナンス」について分析を行うために、関連する文献調査を中心に行った。文献調査は、(1)関連する理論的業績についての整理、(2)分析に当たっての方法論上の整理、という二つの領域に関わるものである。それに加えて、今年度は地方自治体を対象としたアンケート調査を行った。 まず、(1)関連する理論的業績についての整理、という点では特に経済学の「エイジェンシー・モデル」に注目し、このモデルを政府・官僚制や地方自治に当てはめて論じている文献について重点的に検討している。この検討の成果については既にワーキングペーパーをまとめ、2005年6月の公共政策学会で発表する予定となっている。 次に、(2)分析に当たっての方法論上の整理、という点については、計量分析と事例研究の特質について検討して論文をまとめ、『相関社会科学』に投稿し受理された。この論文については、2005年3月に出版されている。研究課題の遂行に当たっては計量分析の手法を重要視するが、そのトレーニングを兼ねて東京大学社会科学研究所が開催する「二次分析研究会」に出席し、既にそのワーキングペーパーをまとめて提出している。 分析対象である地方自治体については、当初はいくつかの地方自治体を訪問し事例研究を進める予定であったが、2004年末から総務省自治大学校の研究調査と合同で都道府県・政令指定都市・中核市等にアンケートを行う機会を得た。このような機会を得たことで、今年度は予定していた聞き取り調査を中止し、アンケートを通じて具体的な情報を得ることに重点を置いた。質問内容としては、新規施策や既存事業の中止・休止が立案され決定されるまでの政策過程とその際に発揮される影響力についてである。この結果については2005年度初頭に報告書の印刷が予定されているほか、今後このデータを活用して研究を進めていくこととしている。
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Research Products
(1 results)