2004 Fiscal Year Annual Research Report
レプトンフレーバ数を保存しないミュー粒子崩壊の探索
Project/Area Number |
04J10665
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤田 龍 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 国際研究者交流 / スイス:イタリア:ロシア / MEG / 液体キセノン / ガンマ線検出器 / LAAPD / ミューオン崩壊 / 真空紫外光 |
Research Abstract |
MEG実験で使用するガンマ線検出器中でシンチレーターである液体キセノンの透明度を監視するための測定器として雪崩光ダイオードの使用を提案した。雪崩光ダイオードは従来の光検出器である光電子増倍管に比べて約5倍以上の感度を持つため微小な光の測定に適している。また、雪崩光ダイオードはノイズを低減するために冷凍機等を用いて冷却を行いながら使用されることが多いが、液体キセノンはそれ自体が約-100℃と低温であるため、精度の高い測定が期待できる。 本研究では雪崩光ダイオードが液体キセノン中で使用可能であり、MEG実験での使用に十分な性能を持つことを確認する予定である。本年度はこの試験を行うための真空容器の製作を行った。通常液体キセノン用の容器では、液化窒素を用いて冷却が行われることが一般的だが、本研究用のものはキセノンの液化と安定な状態の保持ともパルス管冷凍機により行うことが可能なように設計されていることが特徴的である。冷凍機による冷却は液化窒素によるものに比べて冷却能力が劣るため侵入熱を極力減らす必要があった。その為真空容器の厚さを薄くする、多層アルミ蒸着膜を用いる等の工夫がなされている。 また、アメリカのadvanced photonix社より液体キセノンの発光波長である真空紫外光に感度のある特殊な雪崩光ダイオードを購入し、液体キセノン中ではなく空気中ではあるが実際に信号を読み出す試験を行った。研究課題の最終年度である17年度には真空容器内にキセノンを液化し、その中での雪崩光ダイオードのテストを行う。
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