2005 Fiscal Year Annual Research Report
レプトンフレーバ数を保存しないミュー粒子崩壊の探索
Project/Area Number |
04J10665
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤田 龍 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 国際研究者交流 / スイス:イタリア:ロシア / MEG / 液体キセノン / ガンマ線検出器 / LAAPD / ミューオン崩壊 / 真空紫外光 |
Research Abstract |
MEG実験で使用するガンマ線検出器中でシンチレーターである液体キセノンの透明度を監視するための測定器として雪崩光ダイオードの使用を提案した。MEG実験で使用するガンマ線検出器では、その精度がキセノンの透明度に依存する為、透明度を測定することが重要になる。雪崩光ダイオードは従来の光検出器である光電子増倍管に比べて約5倍以上の感度を持つため微小な光の測定に適している。また、雪崩光ダイオードはノイズを低減するために冷凍機等を用いて冷却を行いながら使用されることが多いが、液体キセノンはそれ自体が約-100℃と低温であるため、精度の高い測定が可能である。 本研究では雪崩光ダイオードが液体キセノン中で使用できることを確認した。 通常の雪崩光ダイオードは可視光を観測する物であるが、液体キセノンの発光は真空紫外光であるため、これを観測することはできない。そこでアメリカのadvanced photonix社より液体キセノンの発光波長である真空紫外光に感度のある特殊な雪崩光ダイオードを購入し試験を行った。本年度は雪崩光ダイオードを液体キセノン中に配置し、宇宙線ミュー粒子とアルファ線源によるキセノンの蛍光の観測に成功した。 本研究により、液体キセノン中での雪崩光ダイオードの動作についての基本的な理解を得ることができた。この結果は液体キセノンの透明度の測定装置の開発につながる物である。また、将来的には新たな粒子検出器への応用も期待できる。
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