2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J10815
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
軍司 圭一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 数理科学 / Journal of Mathematical society of Japan / Siegel modular forms / abelian varieties |
Research Abstract |
アーベル曲面の定義方程式に関する研究を行った.具体的には,主偏極を持つアーベル曲面A及び,その上の主偏極を与える直線束L_0の組を考え,L=L^3_0とおいてAをLによって射影曲面P(H^0(A,L))に埋め込んだときの定義方程式を具体的に与え,さらにその係数をレベル3のSiegel保型形式を使って,具体的に記述するのが研究の主な目的であった.アーベル多様体の定義方程式については,一般論が古くから研究されており,それらの結果を使うことによって定義方程式として,2次式と3次式が必要であることがわかる.別の言い方をすれば,自然な写像ψ:【symmetry】^∞_<n=0>Sym^nH^0(A,L)→【symmetry】^∞_<n=0>H^0(A,L^n)の核が2次と3次の元で生成されているということである.そのうちの3次式については,方程式の生成系,すなわちkerψの3次の生成元がどのような形をしているかについては一般的に証明されているが,具体的な式を与えるには,その中から自明でない真に必要とされる式を選び出さなければならない.また2次式についてはレベルが偶数の場合と違って,一般論ではkerψの2次の生成元は得られない.そのため,ψの2次の部分の写像を具体的に書き表し,その核の生成元を決定しなければならない.更にその係数は2次形式のテータ関数を使って表わされるが,そのレベルは36及び12という高いものとして与えられている.それが実はレベル3の指標付の保型形式となっていることを計算によって確かめる必要がある.以上のことをすべて解決し,論文にまとめた.
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Research Products
(1 results)