2005 Fiscal Year Annual Research Report
コクセター群や関連する群・環の構造と、数え上げ組合せ論の未解決問題との統合的研究
Project/Area Number |
04J10825
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
縫田 光司 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | コクセター群 / 同型問題 |
Research Abstract |
私の今年度の主要な研究結果は、難問として知られるコクセター群の同型問題(抽象群として同型なコクセター群について、互いのコクセター系の構造の関係を調べる問題)に関する昨年度までに得た結果の精密化である。まず、コクセター群と別の群の半直積で作用がコクセター系の自己同型であるものについて、中心化群が有限指数を持つ位数2の元を特定することの重要性を見出し、そのような元の特徴づけを行った。この結果(論文は現在投稿中で、インターネットで閲覧可能)は同型問題以外にも様々な具体例を持ち、コクセター群以外の群の研究への応用も期待される。また、この結果に基づき、任意のコクセター群の間の同型写像による位数2の元の像の挙動が、その元から定まるある部分鏡映群の半直積分解の多様性によって制御されることを示した(昨年度の結果では半直積分解の代わりに正規部分群を用いており、この部分が今年度に大きく改善された)。この部分鏡映群は有限コクセター群の直積であり、従って私のこの結果は、有限コクセター群を調べることで一般のコクセター群の同型問題にアプローチできるという顕著なものである。特に位数2の元として鏡映を考える場合、件の部分鏡映群の構造を完全に特定した私の別の結果を用いることで、この手法がより強力なものとなる(この結果に関する論文は現在投稿準備中で、インターネットで閲覧可能)。例えば、私の結果から、無限対称群が共役を除いてちょうど2種類のコクセター系を持つことが示される。このように私の手法は、先行研究の殆んど及んでいない有限生成でないコクセター群の同型問題にも有効であり、その意味でこの分野における世界の研究の最先端に位置するものである。
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Research Products
(1 results)