2004 Fiscal Year Annual Research Report
微生物群を利用したマイクロセンシングシステムの研究
Project/Area Number |
04J10868
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾川 順子 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 微生物 / マイクロセンサ / マイクロデバイス / ゾウリムシ / 触覚 / トラッキング / 電気走性 / トラッピング |
Research Abstract |
本研究は,微生物を「多機能で高性能なマイクロセンサデバイス」として捉え,微生物群の生理機能や協調関係を積極的に利用することで,外部からの動的制御によるマイクロセンシングシステムを実現することを目的とするものである. 本年度は,微生物の生理機構や走性メカニズム等を制御論敵観点から考察して理論の基礎的な部分を確立するとともに,微生物へのセンサ特性の付与,センシング情報の可視化,微生物アクチュエーション技術等の各要素についてシステムを試作し,基礎実験を行って性能を評価し,検討を加えた. 具体的には, 1.センシング情報として触覚刺激によるゾウリムシ体内のカルシウムイオン濃度の変化を利用することとし,ゾウリムシの触覚のメカニズムを調査して,センサとしての基礎特性を考察した. 2.センシング情報の可視化技術としてカルシウムイオン蛍光プローブを採用し,ゾウリムシ体内にプローブをマイクロインジェクションによって注入するための設備,および励起された蛍光を撮像する設備を構築した. 3.運動するゾウリムシの応答計測とその解析のために電気走性継続観察システムを構築し,高速トラッキング技術を用いた応答計測によりセンサデバイス構築に有用なデータを収集した. 4.電気刺激入力デバイスと組み合わせることにより,1次元領域トラッピング等の微生物アクチュエーション技術を実現した.
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Research Products
(3 results)