2004 Fiscal Year Annual Research Report
人間の動作の知的モデリングを利用した統計的手法に基づく動作認識法の研究
Project/Area Number |
04J10886
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下坂 正倫 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 動作認識 / 統計学習 / モーションキャプチャ / カーネル / 混合状態力学系 / ガウス過程法 |
Research Abstract |
認識対象の動作名単体で見た認識法の頑健化を狙い,統計学習における動作の定性事前知識の利用の枠組みを構築した.ある認識対象動作に対応する運動の状態を定性的に記述し,大量の運動データに基づく統計学習法と定性的記述を統合する手法である.これはモーションキャプチャデータで得られる大量の運動データをもってしても,実際の日常で認識すべき運動全てをカバーしきれず結果として未知の(学習データとは大きく性質の異なる)運動データに対する認識の精度保証がない問題を解決するものである.実運動データを用いた実験により,構築した手法が認識器にとって未知運動データに対しても認識性能が頑健であることを示した.手法の特徴は以下の通りである.運動間の類似性をカーネルにより得ること,事前知識として用いる分布形状はパラメトリック・ノンパラメトリックを問わず適用可能である点,ガウス過程法を拡張しているためモデル選択が行いやすい点である. 本課題ではさらに動作名単体の認識法の頑健化の一環として,歩行や走行などの動的動作に対する認識性能の向上のための運動間の類似度計算法(カーネル計算法)を構築した.従来から,カーネル法ではデータの事前知識の組み込みの良し悪しで認識性能が決まるということが知られているが,本課題で構築したカーネル計算法は事前知識として動作の記号接地,動的特性,計測雑音に着目したものである.実運動データを用いた実験を通じて,このような事前知識の組み込みが識別や分類に非常に有用であることが確認された.本課題で構築した手法の特徴としては,運動の力学構造を混合状態力学系と呼ばれる確率モデルで表現した点,計測雑音への頑健性を高めるために周辺化カーネルを採用している点,などが挙げられる. また,本課題では上記の手法の構築と並行して,構築した認識手法の性能検証のための動作データの取得および整備を行った.
|
Research Products
(2 results)