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2004 Fiscal Year Annual Research Report

セルロース系素材の液体浸透性を効率的に制御する新しい技術の構築とその機構の解明

Research Project

Project/Area Number 04J10953
Research InstitutionThe University of Tokyo
Research Fellow 福田 聖  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
Keywords紙 / セルロース / 生物材料 / フッ素化合物 / 撥水性(はっ水性) / 撥油性(はつ油性) / 表面改質 / 濡れ
Research Abstract

本研究の目的は、フッ素化合物が示す高度な撥水・撥油効果に着目し、フッ化炭素鎖を持つリン酸ジエステル体である水溶性フッ素系化合物DPFP(diperfluoroalkylethyl phosphate)を代表的なセルロース系材料である紙に添加することで、紙に撥水性と撥油性を同時に且つ効率良く付与できる技術を確立することと、DPFP等のフッ素系化合物によって紙が撥水・撥油効果を発現する機構を解明することである。
DPFP添加紙は、カチオン性定着剤であるPAE(polyamideamine-epichlorohydrin resin)と共にDPFPを添加したパルプ懸濁液から調製した。紙の撥水・撥油性は、JIS規格等に準拠して評価した。紙中DPFP定着量は、酸素フラスコ燃焼法に基づく手法で測定した。紙表面のDPFP分布挙動は、XPSで分析した。
DPFPは、PAEを介して効率良く紙に定着した。また高度に撥水・撥油化した紙を得る上で、各添加剤の添加順序、懸濁液の攪拌時間や作製後の紙の加熱温度といった条件を最適化する必要性を見出した。
DPFP添加紙は、全般に撥水性よりも撥油性の方が発揮し易かった。この撥液挙動は、一般的な濡れの理論に相反する現象であり、新たな機能性材料に展開できる可能性がある。
DPFP添加紙の撥油度は、紙中DPFP定着量や紙表面上のDPFP分布面積に概ね支配された。しかし撥水度の発現機構はこれらの要素だけでは説明できず、他にDPFPのフッ化炭素鎖の配向やPAEによるDPFPのリン酸トリエステル化反応といった要素も関与している可能性が判明した。
また、パルプを少量の硫酸アルミニウムで処理することで、DPFP添加紙の撥水・撥油性が大幅に増大及び減少する現象を見出した。この手法はDPFP以外の撥水化剤を使用しても同様の効果を与えることから、新たな撥液化処理への発展が期待される。

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Published: 2006-07-11   Modified: 2016-04-21  

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