2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長内 美瑞子 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 研究拠点形成特任研究員
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Keywords | LINE / 逆転写酵素 / 3'UTR / テロメア / レトロトランスポゾン / zinc finger / SART1 / R1 |
Research Abstract |
LINEは、ほとんどの真核生物のゲノムに存在するレトロトランスポゾンである。例えばヒトゲノムではその20%をLINEが占めている。LINEは逆転写酵素を持ち、自身のmRNAを逆転写して新しいコピーを作ることにより転移する。 LINEの中には、直接的にゲノムの維持に関与しているものが存在する。SART1は、カイコのテロメアに特異的に転移するLINEである。カイコではテロメラーゼ活性が大変低い。このため、SART1が確実にテロメアへ転移することがSART1にとってもカイコゲノムにとっても有益である。LINEが確実に転移するためには、LINEのタンパク質が選択的に自分自身のRNAを認識し、それを鋳型として逆転写しなければならない。 以前の研究から、私は、SART1の2種類のタンパク質、ORF1とORF2が自身のmRNAの中の3'UTRの配列を正確に認識して、逆転写、転移させていることを示している。しかしながら、ORF1、ORF2のどちらが、どのドメインが3'UTRを認識しているのか不明であった。 今回、私は、共同研究により、ORF1が構成するRNA-タンパク質複合体には、SART1の3'UTRの配列を持つRNAが選択的に取り込まれること、その取り込みにはORF2タンパク質は不要であること、ORF1のC末にある3つのzinc finger motifが重要であることを明らかにした。この結果の一部は学術雑誌に投稿し、現在査読中である。 また、私は28S rDNA特異的に転移するLINE・R1に関しても、共同研究により3'UTRが転移に必要であることを示した。R1とSART1は進化系統的に近縁なLINEであるため、似たような3'UTR認識機構が存在すると考えられる。この結果は学術雑誌Nucleic Acids Research誌に掲載された。
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Research Products
(1 results)