2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11067
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嘉山 定晃 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カツオ / 成長 / 年齢 / 回遊 |
Research Abstract |
日本周辺海域、西部太平洋熱帯海域、東部太平洋熱帯海域、オセアニア周辺海域および東部インド洋熱帯海域で採集されたカツオ未成魚及び成魚の耳石日輪を計数した結果、どの海域においても孵化後約1年で成熟体長に達することがわかった。しかし、太平洋における分布の中心である西部太平洋熱帯海域で孵化してから採集されるまで留まっていた熱帯滞留群の未成魚と分布の縁辺にあたる西部太平洋北部海域で採集された北上回遊群の未成魚について、同一日齢時の尾叉長(FL)は、北上回遊群のほうが有意に大きかった。 そこで北上回遊群と熱帯滞留群について、各日齢時の耳石日輪半径を比較した結果、生活史初期において、北上回遊群より成長速度の速かった個体が熱帯滞留群となり、生活史初期の成長速度は遅いが、生活史初期の成長速度を熱帯滞留群より長い期間維持した個体が北上回遊群になったことがわかった。採集時の肥満度、胃内容量指数(SCI)は、熱帯滞留群より北上回遊群で高いことがわかった。生殖腺重量指数(GSI)については、北上回遊群のほとんどの成魚(>45cmFL)がGSI<2,8の未成熟であったのに対し、熱帯滞留群の成魚は成熟していた。 北上回遊群において熱帯滞留群よりSCIが高かったことを考慮すると、未成魚期における同一日齢時のFLと肥満度が北上回遊群において高かったことは、西部太平洋北部海域の豊富な餌生物量によって、説明されると考えられた。また、この海域では、カツオが産卵可能な表面水温24℃を超えないために成魚が成熟しないと考えられた。
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