2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11075
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 国広 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ウミガメ / 集団 / 分散 / マイクロサテライト / ナビゲーション / 流況観測 |
Research Abstract |
徳島県蒲生田海岸で7〜9月の3ヶ月間、アカウミガメの産卵・孵化調査および行動実験を実地した。 (1)集団構造解析のために産卵個体5個体、孵化幼体238個体の形態計測をおこない、DNA標本を採取した。現在、これらの標本について核DNAマイクロサテライト座の遺伝子型を決定中である。 (2)孵化幼体の初期分散経路およびその決定要因を明らかにするため孵化脱出直後の子ガメのトラッキングを実施した。電波発信機により4個体、ケミホタルにより8個体を追跡すると同時に、GPS付き携帯電話を利用して作成したフロートを用いて、遊泳経路上における表層流動場の観測を行った。その結果、子ガメの遊泳経路は表層流に大きく依存しており、内湾から外洋へと流れる表層流に乗ることで蒲生田海岸のような外洋に面していない海岸からでも外洋への到達が可能となっていることが明らかとなった。 (3)無光下での子ガメの定位特性を調べるために、子ガメの遊泳方向を一定時間間隔で測定、記録するデータロガーつき水槽を作成し、12個体の定位特性を観察した。その結果、一定時間光による遊泳方向の条件付けをおこなった個体は消灯後も進路を維持することができ、北大西洋の個体群と同様に地磁気コンパスを用いたナビゲーションが行われている可能性が示唆された。この結果は(2)で実施した子ガメのトラッキング結果について考察するうえで重要な情報となった。
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Research Products
(1 results)