2004 Fiscal Year Annual Research Report
犬におけるワクチン接種後アレルギー反応に関する研究
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04J11119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 啓太郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 犬 / ワクチン / アレルギー / IgE / 牛肉 |
Research Abstract |
本年度は、ワクチン接種後アレルギー反応と牛肉アレルギーとの関連性を検証するために、牛肉アレルギーの犬において牛肉成分中のアレルゲンを解析した。 <材料および方法>除去食試験および食物負荷試験により牛肉アレルギーと確定診断した犬、および臨床的に牛肉アレルギーが強く疑われる犬5頭の血清を用いた。陰性対照として健常犬5頭の血清を用いた。牛肉に対するIgE値はELISAキット(Topscreen and Immunodot test kits, CMG laboratories)により測定し、牛肉成分中のアレルゲンは抗犬IgE抗体を用いたimmunoblot法により解析した。 <結果>牛肉アレルギーの犬5頭における牛肉特異的IgE値(12-46 labolatory unit [LU],mean ± SD:21.4±12.9LU)は、陰性対照(0LU)に比べ有意に高かった(P<0.05)。Immunoblot法では、牛肉アレルギーの犬3頭において67-kDaに陽性バンドが認められ、2頭において67-kDaと55-kDaに陽性バンド認められた。陰性対照の犬では陽性バンドは認められなかった。精製タンパクを用いたimmunoblot法およびimmunoblot inhibition法により、67-kDaのタンパク質はbovine serum albumin (BSA)であることが、55-kDaのタンパク質はbovine γ globulin (BGG)であることが明らかとなった。さらに、BSAおよびBGGを用いた皮内反応により、牛肉アレルギーの犬において陽性反応が認められた。 <考察>BSAおよびBGGは、牛肉アレルギーの犬における牛肉成分中のアレルゲンであることが同定された。市販の犬用ワクチン中には多量のBSAおよびBGGが含まれていることから、本研究結果はワクチン接種後アレルギー反応と牛肉アレルギーの関連性を示唆するものである。
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Research Products
(4 results)