2004 Fiscal Year Annual Research Report
アロセントリックな空間行動におけるヒト前頭前野と海馬機能のfMRIによる研究
Project/Area Number |
04J11149
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
地村 弘二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 核磁気共鳴画像法 / 眼球運動 / 前頭前野 / 海馬 |
Research Abstract |
本研究では,核磁気共鳴画像装置(MRI)を用いて迷路課題の遂行を眼球運動で行う.そのため,MRI内で眼球運動を計測可能にした.測定は赤外線照射による単眼非接触式注視点計測とし,米国ISCAN社製の装置をもとに開発を行った.赤外線照射はMRI撮像室外に設置した赤外線フィルター内蔵の光源装置から10m長の光ファイバを通しておこなった.光ファイバ先端の照射部は,MRIのヘッドコイルにマウントする特殊設計の固定装置を用いて固定した.被験者の眼球は望遠レンズをマウントしたCCDビデオカメラを用いて,アクリル樹脂にアルミを蒸着させた表面反射鏡を通して撮影した.撮像データはMRI用のノイズフィルターを経由して,撮像室外にある測定装置のA/D変換ボードに入力した.測定は60Hzで行い,測定誤差は約0.25度であり,当初の予定通りの性能が得られた. 次にこの測定系を使用して,視覚的急速眼球運動課題遂行中のヒト大脳の関連領野の同定をおこなった.実験では16秒の休息と16秒の眼球運動を交互に行うブロックデザインを採用した.解析の結果,前頭葉および頭頂葉の複数の領域に有意な活性が見られた.さらに,これらの眼球運動関連領野と,空間的処理をコントロールした認知的構えの切り替えの関連領野の配置を調べてみると,前頭葉では前後(眼球運動:後,構えの切り替え:前),頭頂葉では内側外側(眼球運動:外側,構えの切り替え:内側)に分布していることがわかった.
|
Research Products
(2 results)