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2004 Fiscal Year Annual Research Report

塩基性、酸性リン脂質によるDNA複製開始タンパクDnaAの活性制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 04J11171
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

市橋 伯一  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)

KeywordsDnaA / Staphylococcus / lysylphosphatidylglycerol / リン脂質 / 黄色ブドウ球菌
Research Abstract

これまでに私は、黄色ブドウ球菌の持つ塩基性リン脂質lysylphosphatidylglycerol(LPG)が、in vitroでDNA複製開始タンパクDnaAの再活性化を阻害することを見出していた。そこで私は、in vivoでもLPGはDnaAの活性制御に働くかどうかを検討するため、LPG合成酵素MprFを破壊した変異株の表現型を解析した。昨年度までに私は、LPG欠損株は高温感受性を示し細胞分裂が阻害されていること、そして、この温度感受性はマルチコピーdnaAにより部分的に抑圧されることを見出していた。大腸菌のDnaAの変異株にはDNA複製開始の異常にともなって、細胞分裂に異常を示すものがあることが知られていることから、私はLPG欠損株の細胞分裂阻害も、DnaAの活性の異常によると予想した。本年度では、この点を検討するため、LPG欠損株のDnaA活性、すなわちDNA複製開始に異常があるか検討した。その結果、LPG欠損株のDNA複製開始には異常が認められなかった。また、LPG欠損株の温度感受性の抑圧には、マルチコピーdnaAの複製開始活性は必要ではなく、膜結合ドメインが必要であることが明らかになった。当初の予想と反して、これらの結果は、LPG欠損株での温度感受性や細胞分裂異常は、DnaAのDNA複製開始活性とは関係がないことを示唆している。それではなぜ、LPG欠損株では高温で細胞分裂ができなくなるのか。次に私は、この点を解明することを試みた。その結果、LPG欠損株では、細胞質や細胞膜の分離は終了しているが、細胞壁の分離ができていないことを明らかにした。細胞壁の分離には、ペプチドグリカン分解酵素が必要であるが、LPG欠損株ではこの分解酵素活性が低下していた。
したがって、LPGはDNA複製開始には必要でないが、細胞分裂の最後の過程である細胞壁の分離に重要な役割を持つことが初めて明らかになった。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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