2005 Fiscal Year Annual Research Report
国際行政における調達行政の特質についての研究-調達行政の理論的研究を前提として
Project/Area Number |
04J11246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂根 徹 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 国際行政 / 調達行政 / 国連システム / 国連 / 国際連合 / 世界銀行 |
Research Abstract |
本年度は先ず、これまでの国連システムに関する研究結果に、調達行政において重要な財政との関係の明確化や、各対象機関に関する更なる調査などを付加し、国連システムの調達行政に関する論考として取りまとめ、『国家学会雑誌』(118巻7-8号)に発表した。なお、財政部分に対する考察は、「データに依拠した実証的手法による国連システムの財政に関する基礎的分析-調達との関連を含めて」(東京大学COEワーキングペーパー、2006年2月)として別途取りまとめた。 次に、世界銀行(世銀)の調達についての検討を開始した。世銀は、国連システムの中でも独立性が高い機関であるが、財政規模が大きく、重要な機関である。また、途上国に対する多国間の開発援助において主要な役割を果たしている。検討の内容は次の通りである。先ず、世銀および世銀の調達行政の概要を把握した。そして調達手法について、国際一般競争入札の原則やその詳細における様々な工夫、また、同原則になじまない場合に用いられる制限国際競争入札や現地競争入札などの他の類型も調査した。さらに、不正行為への対処に関して、通常の契約管理の手法である契約文書の検査以外に、ホットラインの存在や、制裁の内容およびその手続き面について具体的に検討した。 また、本研究課題と関連の深い実務上の動きとして、近年国連改革議論が盛んである。この点について、日本で非常に重要視され、また注目されている安保理改革のみならず、平和構築委員会や人権理事会の創設問題も含めた様々な機構改革や事務局改革について検討を行った。 さらに、国連システム諸機関における調達行政のここ数年の変化の現状および、調達行政における公正性や信頼性確保のための諸措置の実情を把握するため、ジュネーブ、コペンハーゲン、ニューヨークにある国連機関の調達担当の実務家等に対してインタビュー調査を実施した。
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Research Products
(1 results)