2004 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ・拡散対抗政策の起源 ジョンソン政権期における中国核開発への対応を巡って
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04J11249
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐橋 亮 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 中国核開発 / 米中関係 / 米台関係 |
Research Abstract |
総括すれば今年度は、研究課題の達成に向けて、基礎的な一次史料、二次資料の読み込みに当てられた。本年度において、本研究課題に関する日文・英文の先行研究はほぼ網羅し、中文における先行研究も徐々に入手している。また、本年度は、6月22日から7月5日まで米国・テキサス州に出張し、アメリカ外交史家学会年次大会への参加、意見交換と、ジョンソン大統領図書館における資料収集を行った。昨年度の同図書館、メリーランド州の国立公文書館で行った自主調査とあわせ、本研究課題に関係する米国・公開公文書の骨格となる部分は網羅した。特に今年度の調査では、同図書館に収蔵されている個人文書も多数入手できた。国立公文書館での再調査、並びに、カンザス州のアイゼンハワー大統領図書館、マサチューセッツ州のケネディ大統領図書館、および部分的に大学等に散在する個人ペーパーの調査を進め、核を中心としたアメリカの対中政策についての公文書を網羅したい。 本年度において、研究成果は主として二本の論文としてまとめたところである。一編は、「リンドン・B・ジョンソン政権における対中政策の変動-中国核開発と対中平和攻勢-」と題し、10月に完成させ、その後、二箇所の研究会で報告し、学術的な批判を様々に頂いた。現在は学術誌に投稿中である。二編目として、「アメリカ外交における両岸問題へのアプローチの原型-中国との「対立の中の共存」と国府の「封じ込め」(1954-68)-」と題する論文を、年度後半に調査、執筆した。3月に完成させたところであり、一部は自由論題として来年度6月に開催される日本台湾学会年次大会で報告することになっており、他部分についても研究会で本分野研究者からの批判を頂くことになっている。両論文とも来年度内に公刊する予定である。 本年度は他に研究計画にあるように、国際政治理論、アメリカ外交の研究を進めた。
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