2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11316
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 知栄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 気候変動 / 季節推移 / 降水量 / インドシナ半島 / 日本 / モンスーン / 台風 |
Research Abstract |
1.インドシナ半島における降水量の経年変動 インドシナ半島全体の60地点の降水量資料を用い,夏のモンスーン季(5〜9月)降水量を表す指標をICPRIと定義して,1960年代後半以降におけるその経年変化について調べた.その結果,ICPRIは1970年代には2〜3年周期の,振幅の比較的大きな変動が目立っていたのに対し,1983〜93年の期間では平年より降水量が少なかった.ICPRIとインド夏季降水量(AIRI),および東部赤道太平洋のNino-3 SSTとの経年変化を比較すると,1966〜80年においては,ICPRIとAIRIの正相関およびICPRとNino-3 SSTとの負相関が有意に高かったのに対し,1981-2002年ではこれらの相関がみられなくなっている.また,モンスーンの下層風循環との相関関係から,インドシナ半島の夏季降水量は,1966〜80年においてはインドモンスーンの影響を強く受けていたのに対し,1981〜2002年においては西部北太平洋モンスーンの影響が強くなっていることが明らかとなった.そのほか,ベトナム中央部において降水量がピークとなる10〜1月の降水量,およびプレモンスーン季に当たる2〜4月の降水量についても,Nino-3 SSTとの負相関がみられた. 2.8月後半に日本中部にみられる1983/84年の数十年規模変動 日本中部太平洋側において,1983/84年を境として近年,8月後半の日照率の増加・気温上昇・降水量減少が確認された.日本の先島諸島や台湾北部では逆に降水量が増加している.これらの変化は,8月後半に日本本土に接近する台風が減少し,台湾や中国南部へ北西進する台風が増えていることと関係している.さらにこれに関連して,太平洋高気圧のリッジが近年,日本付近において,西方へより張り出していることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)