2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11324
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
王 惠仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 中性子過剰核 / 四重極集団運動 / Recoil Shadow Method |
Research Abstract |
軽い中性子過剰領域では、魔法数の変化など、異常な核構造が見出され注目を集めている。研究代表者は、中性子過剰な^<16>Cに着目し、その第一2^+励起状態の寿命測定及び陽子非弾性散乱実験により、^<16>Cの四重極集団運動に中性子物質の寄与が支配的であることを明らかにした。これは、原子核の四重極集団運動に陽子物質と中性子物質がほぼ同様に寄与するという従来の常識に反する実験結果である。寿命測定の論文は米国のPhysical Review Letters誌2004年第92巻号に掲載された。そして、研究代表者が執筆した^<16>Cの陽子非弾性散乱の論文は米国のPhysical Review C誌2006年第73巻号に掲載された。研究代表者は2005年5月24日に理化学研究所で行われた「RIKEN RIBF International Workshop」及び2006年3月9日に東京大学で行われた「International Symposium on Structure of Exotic Nuclei and Nuclear Forces」にて両実験の結果について口頭発表を行った。 ^<16>Cと同様に四重極集団運動に中性子物質の寄与が支配的であるような原子核、そしてこの不調和現象が起りうる原子核の領域を探るために、研究代表者は^<18>C及び^<15>Bの第一励起状態の寿命を測定した。実験では、^<16>Cの励起状態の寿命測定のために開発されたRecoil Shadow Methodを改良し、従来の実験セットアップでは課題となった脱励起ガンマ線の角度分布の測定を可能にし、精度よく寿命を測定することに成功した。データ解析より、^<18>Cの第一励起状態の寿命が^<16>Cのそれと同じオーダーであることがわかった。この結果は陽子物質の四重極集団運動への寄与が小さいという現象が^<18>Cにも起きていることを示唆する。
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