2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11325
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀田 真吾 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 水星 / ファブリペロー干渉計 / BepiColombo / 大気光 |
Research Abstract |
本年度前期は周回衛星から水星大気光の撮像を行う観測器用のファブリペロー干渉計(Fabry-Perot Interferometer:以下FPI)の開発を行った。FPIは狭帯域干渉フィルタと2枚の透過型反射鏡を平行に並べたエタロンを用いて分光観測を行う装置である。従来のFPIは温度変化に対して大きく透過波長が変わるため、通常は温度を1℃程度以下の精度で固定して使用される。しかし、水星周回衛星に搭載した場合±30℃程度の温度変化が予想され、これに対して透過波長が変わらないようにする必要がある。本年度は2枚の別個の鏡を用いるエタロンと平面ガラスの両面に反射膜を蒸着したソリッドエタロンの性能比較を行った。結論として、温度ドリフトを抑えた干渉フィルタを使い、2枚の鏡を用いたエタロンを2組搭載し片方を±10℃程度の精度で温度調節することで、温度による透過波長の変化の無いファブリペロー干渉計を用いるのが最良の方法であるという結果を得た。2004年12月に水星周回衛星BepiColomboMMO搭載用大気光カメラにファブリペロー干渉計の採用が決定されている。 本年度後期は2005年3月のハワイ・ハレアカラ観測所における水星ナトリウム大気光の地上観測に向けて準備を行った。水星は太陽に近いため低高度での観測となり、地球大気の状態によって像のボケが大きくなる。そのため地球大気が安定している観測場所を選ぶ必要がある。水星は明るいため可搬型望遠鏡を用い、分光するためにファブリペロー干渉計を用いて観測を行った。本観測では世界で初めて水星ナトリウムの尾状構造を1枚の画像に捉えることに成功した。
|
Research Products
(1 results)