2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11325
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀田 真吾 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水星 / ファブリペロー / BepiColombo / 大気光 / 地上観測 |
Research Abstract |
本年度前期は2005年12月に岡山天体物理観測所にて共同研究課題として採択された、日中の水星大気観測を行なうための準備として、5月に東北大学惑星圏飯舘観測所で日中に水星の観測を行い、晴天であれば日中でも空の背景光差し引きすることで水星ナトリウム大気発光の輝線が捉えられることを確認した。また8月には岡山天体物理観測所にて試験観測を行い、水星を導入、追尾することが可能であることが確認できた。これら準備の段階で追尾用の望遠鏡駆動ソフトの改良や、ガイド系に赤色フィルタを用いることで青空の光をなるべく落とすという工夫が有効であることも確認できた。12月の本観測では4時間にわたる追尾を行ない、4時間の間に密度が7パーセント増減しているという結果が得られた。(この結果については現在解析途中である。) 2006年1月には周回衛星から水星大気光の撮像を行う観測器用のファブリペロー干渉計(Fabry-Perot Interferometer:以下FPI)の熱真空試験を行なった。FPIは狭帯域干渉フィルタと2枚の透過型反射鏡を平行に並べたエタロンを用いて分光観測を行う装置である。従来のFPIは温度変化に対して大きく透過波長が変わるため、通常は温度を1℃程度以下の精度で固定して使用される。しかし、水星周回衛星に搭載した場合20±40℃程度の温度変化が予想され、これに対して透過波長が変わらないようにする必要がある。本年度は、温度調節機構を取り付けた2組のエタロンで構成されるタンデムエタロンを試作し熱真空試験を行なった。その結果、-20℃、+60℃の環境においてもヒータが動作すること、冷却後常温に戻した際に分光特性が変化しないことが確認できた。しかし、-20℃、+60℃では装置関数が広がるという結果も得られている。来年度はこの対策として形状の再設計を行なう予定である。
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