2004 Fiscal Year Annual Research Report
B→ππ事象を用いた直接的CPの破れの探索およびCP位相φ2の精密測定
Project/Area Number |
04J11327
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日下 暁人 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | B-factory / CPの破れ / 素粒子物理 / 小林・益川理論 / Belle / KEKB / B^0中間子 / B→π^+π^- |
Research Abstract |
KEKB加速器およびBelle検出器において2004年夏までに収集された、27.5億BB対に相当するデータを用いて、B→・・事象におけるCPの破れの大きさの測定を行った。選択された666±43事象を用いて、CPの破れのパラメータとして、S・・=-0.67±0.16(stat)±0.06(syst)・A・・=+0.56±0.12(stat)±0.06(syst)を得た。特にA・・の測定結果は、任意のS・・に対して直接的CPの破れが4σ以上の信頼度で起きていることを示している。さらに、Isospin relationを用いて、小林・益川理論におけるCP位相・2の95.4%信頼区間が0°<・2<19°,71°<・2<180°であることを求めた。 これらの結果は、2005年冬の主要な国際会議で発表され、hep-ex/0502035としてe-print archiveにも投稿された。現在、雑誌論文への投稿を準備している。 この研究に付随して、新しいシリコン崩壊点検出器であるSVD2のresolutionの研究も行った。これは、時間依存性を用いたCPの破れの測定に不可欠なものであり、2004年夏以降に出された時間依存におけるCPの破れの研究成果(hep-ex/0409049,hep-ex/0408104,hep-ex/0411056)はこれに基づくものである。これらの成果に関しても、近く雑誌論文として投稿することを予定している。 現在、B→ππの崩壊過程に関して、さらなる精度の向上を目指してデータの蓄積を続けており、2005年度中にはこれらのデータを用いた成果を出したいと考えている。さらに、B→ππに類似した崩壊過程であるB→ρπに関しても研究を進めており、こちらについても近日中に物理成果を出す事を目指している。
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