2005 Fiscal Year Annual Research Report
超弦理論を援用した、4次元超対称ゲージ理論の非摂動的側面の研究
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04J11352
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
立川 裕二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超弦理論 / 超対称ゲージ理論 / 超重力理論 / AdS / CFT対応 |
Research Abstract |
本年度は,昨年に引き続き超対称ゲージ理論の研究を行った。 まずひとつには、4次元の非自明超対称超共形ゲージ理論に重点をおいて研究した。 超共形ゲージ理論は、その高い対称性のため、摂動論が適用できないような強結合領域に於いても、励起の質量次元などを調べることが出来る。ここ数年新たな例が超弦理論を通じて沢山発見されており、それを調べる手段としては、大きく分けて二つ、一昨年開発されたa-最大化原理というものと、また、AdS/CFT対応とよばれる4次元のゲージ理論の量子的強結合力学を5次元の重力理論の弱結合領域に写像して扱う方法がある。代表者の得て出版したひとつ結果は、この二つの方法を結びつけるというものである。すなわち、a-最大化原理を5次元の重力理論に読み替えると、まさに5次元のドメインウォールを支配するattractor機構になるということを見いだした。 また、もうひとつの結果として、Pouliot型とよばれる、SOゲージ群とSUゲージ群の間の右手左手を入れ替える対称性の無い理論と有る理論が、低エネルギーでは一致するという双対性についてa-最大化原理をもちいてより詳しく調べたというものがある。 超対称ゲージ理論の別の側面として、超弦理論から4次元の超対称性を導くには内部空間にどのように電場磁場を入れるかに応じて莫大な方法がある。特に、内部空間が特異性を生じる場合に、場合の数が爆発的に増えるが、これまでは特異性が最も簡単な場合にしかその増大ぐあいが調べられていなかった。そこで、その他のより複雑な特異性のもとで増大度がどうなるかを調べた。具体的には、特異性によって生じるソリトンの入れ替えのタイプが与えられれば、増大性を決定できるということを一般に示し、それをArgyres-Douglas特異性とよばれる電子とモノポールが同時に質量ゼロになるような特異点に対して具体的に解析を行った。
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Research Products
(4 results)