2005 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙機の総合的自律システムの構築とその軌道上実証実験
Project/Area Number |
04J11417
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
船瀬 龍 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自律化 / 宇宙機 / 人工知能 / プラニング / スケジューリング |
Research Abstract |
本研究は,宇宙機の運用コスト低減やリスク回避能力を高めるための自律システムの構築を行い,超小型衛星を用いた軌道上技術実証実験を行うものである.本年度は以下の項目についての研究を行った. (1)宇宙での新規技術実証のための超小型衛星の研究・開発 本研究では,成果の実証実験を実際の人工衛星において行うことを考えており,前年度に引き続き超小型衛星の研究・開発を行った.2004年度より開発を開始した超小型衛星XI-Vは,2005年10月にロシアのロケットにより打ち上げに成功し,2006年3月現在,新型太陽電池の実証などの新規技術実証実験を継続的に行っている.この実績は,民生品を用いた大学による低コスト・短期間開発の超小型衛星でも新規技術の軌道上実証実験を実施することができることを示した点で,大きな成果であったと言える.次年度も超小型衛星の開発を続け,より高機能化した次期衛星PRISMで,本研究の成果となる自律システムの実証試験を搭載する予定である. (2)地上・宇宙機間の協調運用システムの研究 計算リソース等の制約により,宇宙機システムの自律化に対して一般的に要求される機能を十分に実現することは宇宙機単体では困難であり,計算負荷の高いプラニング・スケジューリングを地上システムが行い,宇宙機本体は地上側で作成したプランの実行とトラブル時の対応を担当するという,宇宙機・地上間の協調システムが必要である.前年度より検討を続け,地上側でCSP(制約充足問題)ベースのプラニングを行い,宇宙機側ではトラブル時には元のプランに存在する制約の構造を利用したプランの再構成を行うことによって,通常運用時のプラニングや軽微なトラブルの宇宙機側での対処が十分に可能であることを示した.
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Research Products
(6 results)