2005 Fiscal Year Annual Research Report
誘導結合型プラズマとレーザーの相互補完的効果とその工学的応用に関する研究
Project/Area Number |
04J11419
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 孝祐 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レーザー / 高エンタルピー / 気流診断 / 吸収分光法 / プラズマ / 旋回流 |
Research Abstract |
平成十七年度は、kw級のレーザー装置、および高周波電源により生成される高エンタルピ気流のプラズマ診断技術の開発を推進した。測定方法は、作動ガスの励起エネルギーに相当する波長のレーザーを用いた吸収分光法を選択した。吸収分光法により得られる吸収プロファイルから、励起種の数密度、重粒子の並進温度を算出することができる。 本研究で使用している炭酸ガス連続発振レーザーには、50Hzおよび、396Hzを中心とした出力変動があることがこれまでに分かっている。この変動により、生成される気流に含まれるアルゴン(作動ガス)の励起準位数密度が大きく時間変動し、吸収分光により測定を困難にすることが明らかになった。本研究では、16CHのフォトディテクターアレイを用い、気流垂直方向の空間同時測定による高時間分解吸収分光法を開発し、プラズマパラメタが変動する気流の診断に成功している。 また、吸収分光におけるプローブ光の入射角度を細かく変化させることで、ドップラーシフトとシュタルクシフトを分離することに成功し、気流速度の他に、電子密度の空間分布測定の目途を得ている。 以上の測定手法を用い、これまでに以下のことを明らかにした。 ・誘導結合型プラズマの生成に不可欠な旋回流の導入割合を減少すると、高周波エネルギーが効率よく気流エンタルピに変換される。 ・レーザープラズマを生成することで、誘導結合型プラズマの生成に旋回流が不要となることから、高効率のエネルギー変換が可能になることが示唆された。 ・レーザー生成プラズマで生成される気流は空間的に不均一で、中心部に10,000K相当の比エンタルピが存在する。
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Research Products
(3 results)