2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11443
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野瀬 健二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | cubic boron nitride / 立方晶窒化ホウ素 / wide bandagap semiconductor / phase regulated RF bias sputtering |
Research Abstract |
本研究は「究極の半導体」とも呼ばれるダイヤモンドを凌駕する特性を有する、立方晶窒化ホウ素(cubic boron nitride: cBN)薄膜を用いたデバイス創製を目的としている。初年度である平成十六年度では主に、超高真空雰囲気におけるバイアススパッタ法を用いた堆積において、薄膜が自発的に有するB欠乏を利用したp型伝導によるプロトタイプデバイスの作製とその電子物性評価を行った。 具体的なデバイス構造は、数Ωcm程度の比抵抗を有するSi基板をn型伝導層として用い、as-depo cBN薄膜をp型伝導層とした異種接合ダイオードの形態を有する。ワイドギャップ半導体を用いたデバイス作製で常に問題となる電極の接触抵抗の低減を目的とし、仕事関数が大きく、高温での化学的安定性の高い純Niをp層への電極として用いた。作製されたデバイスに対するI-V特性の結果は室温において正負の電流値が4桁程度異なることを示していた(整流比:10^4)。他方、接合における障壁高さを求めるために行った300℃までの測定により、純バイアスで0eVに向けて減少する障壁が、逆バイアスでは0.3-0.6eVの一定値に保たれることが示された。これらの結果は、ICP-CVD法により合成された同様の構造においても再現することが確認された。一連の実験により得られた結果は、ドーパント添加によらない、組成の精密な制御による伝導タイプの制御の可能性を示しており、今後のn型伝導実現のための基礎的な情報と考えられる。
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Research Products
(1 results)