2004 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃荷重下における3次元織物複合材料の力学解析と微視構造最適化
Project/Area Number |
04J11471
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉村 彰記 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 3次元織物複合材料 / 縫合積層板 / 炭素繊維複合材料 / 衝撃後圧縮強度 / 有限要素解析 / 損傷進展解析 |
Research Abstract |
貫層縫合が施された複合材料積層板に対して衝撃後圧縮試験を行い、衝撃荷重時に発生する損傷の観察および非縫合積層板との比較を行い、縫合による衝撃損傷抑制、衝撃後圧縮強度向上効果を実験的に観察した。 様々な衝撃荷重下において複数の縫合パラメータの積層板について試験を行った結果、縫合による衝撃後圧縮強度の向上効果は、縫合が密であるほど高く、また衝撃エネルギが大きく、衝撃によるはく離損傷の領域が大きいほど高いことが分かった。 また、縫合による衝撃後圧縮強度上昇効果を数値解析的に見積もるため、初期はく離欠陥を含む縫合積層板に対して、有限要素法を用いた局所座屈解析モデルを提案した。これにより、層間はく離領域を縫合糸がブリッジングすることにより、衝撃後圧縮強度が上昇することが確認された。 このモデルでは、はく離損傷の進展現象は取り扱わず、はく離損傷は一定であるとした。また、縫合糸の破壊および周囲の積層板との界面のはく離現象をモデル化した。これにより、縫合積層板では縫合糸の破壊が断続的に発生することによってはく離領域のブリッジングが急速に失われ、局所座屈に発展することが示された。また、縫合パラメータ変化、衝撃によるはく離損傷の初期開口変位が縫合による衝撃後圧縮強度の向上に大きな影響を及ぼすことを見いだした。 また、昨年度に開発した3次元織物複合材料中の損傷進展解析を行う有限要素解析モデルの拡張を行い、幾何学的非線形解析が可能なモデルへ拡張した。これにより、本モデルを用いた衝撃損傷解析および圧縮解析が可能になった。
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