2005 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃荷重下における3次元織物複合材料の力学解析と微視構造最適化
Project/Area Number |
04J11471
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉村 彰記 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 3次元織物複合材料 / 縫合積層板 / 炭素繊維複合材料 / 損傷進展解析 / 有限要素法 / 面外衝撃試験 / 層間はく離 |
Research Abstract |
縫合CFRP積層板の引張負荷下における損傷進展挙動を実験・解析両面から調査した。特に、損傷進展拳動に与える縫合の効果を調べることに力点を置いた。 まず、負荷除荷試験における損傷観察にて、縫合の有無にかかわらず、積層板には層内き裂と層間はく離が観察されることがわかった。 次に、積層板の各層をMindlin板要素でモデル化し、縫合糸をはり要素として組み込んだレイヤーワイズ有限要素モデルを作成した。このとき、損傷を結合力要素を用いて表現した。このモデルを用いて、縫合積層板に対する損傷進展解析を行った。 実験結果と数値解析結果を比較し、実験によって観察された損傷進展挙動とシミュレーション結果はよく一致することを確認した。 この解析モデルを用いて、縫合が積層板の層内き裂の発生とその増加には影響を与えないことを実証した。また、縫合が層間はく離を大幅に抑制する効果を明らかにした。 本計算モデルは静的引張荷重とは別の荷重下における損傷進展も容易に扱うことができる。 次に、縫合CFRP積層板の衝撃負荷後の損傷を、非破壊検査、破壊検査の両面から詳細に観察した。特に、縫合密度の異なる試験片に対して試験と観察を行い、縫合が衝撃損傷に与える変化の観察に力点を置いた。 縫合密度に対する衝撃損傷の平面投影面積を比較したところ、縫合が密であるとき、わずかに面積が大きくなっていることがわかった。このとき、縫合が密な場合は厚さ方向の損傷の形状が非縫合積層板の場合とは異なっていた。衝撃負荷時の積層板の変形が縫合によって変化し、このことが縫合積層板の衝撃損傷形態に影響を与えることがわかった。
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