2004 Fiscal Year Annual Research Report
合体加熱による球状トカマクプラズマの超高ベータ化の実験的検証
Project/Area Number |
04J11472
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅田 耕太郎 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 球状トカマク / 合体加熱 / 磁場揺動 / 磁気リコネクション |
Research Abstract |
核融合炉の実現には高温高圧のプラズマを長時間閉じ込める必要があるが、その閉じ込め配位として30〜40%の高いベータ値を持ちつつ、トカマクの良い安定性を引き継いだ球状トカマクが注目を集めている。しかし、球状トカマクはその形状から、従来のトカマクと同様の、中央ソレノイドコイルによる立ち上げを行うことができない。本研究では外部コイルの誘導により生成した2個の球状トカマクを合体させることにより高ベータ球状トカマクを立ち上げる手法を提案している。 本年度はまずTS-3装置での球状トカマクの合体加熱実験において、水素原子スペクトルのドップラー広がりからイオン温度を求めた。その結果、合体時の磁気リコネクションを介した加熱により、10μsの間に70〜100eV程度の温度上昇があり、1MWを超える急速な加熱効果が得られることを示した。 また、同実験における磁場計測より、初期球状トカマクの移送時に、q=0.5の磁気面付近でΔB/B>0.5の大きな磁場揺動が生じることを示した。この揺動と同時に100〜200kHz程度の磁気軸位置の振動も観測されることや、常磁性のトロイダル磁場を増加させ、q_axis>0.5とした場合にはこの揺動が計測されないことから、q=0.5の磁気面上で成長するm=1、n=2のキンクモードが生じていると考えられる。このモードにより内部でリコネクションが生じ、熱、粒子的損失が予想されることから、密度計測による損失の解明および外部磁場の増減による抑制の検討が課題である。
|