2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11517
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青田 新 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロチップ / 溶媒抽出 / 液液界面 |
Research Abstract |
本研究では低レイノルズ数のマイクロ液液平行二相向流を実現し、これを利用して高回収率マイクロ向流抽出を実現してきた。また水相中流線の可視化により、マイクロ液液平行二相向流中の水相側界面近傍でカオス的渦流を観察した。向流中の界面では速度の不一致や剪断応力の不連続など、通常の流体力学的境界条件とは異なる境界条件があると考えられる。また、マイクロ向流抽出では渦流による撹拌の効果が期待できる。そこで本年度は、マイクロ向流抽出の抽出理論段数の流速依存検討と、マイクロ液液平行二相向流の油相中流線可視化を目的とした。 向流抽出の流速依存を検討した。水相と油相を等流量とし、流量0.1〜1.0μl/minの条件におけるマイクロ向流抽出を試みた。撹拌効果がない場合、検討した条件では油水の合流時間がもっとも長くなる流量0.1μl/minで抽出理論段数が最大となるはずであるが、実験では流量0.15μl/minで抽出段効率が最大となった。これは向流中の界面近傍における撹拌効果によるものと考えられる。 水相中の流線可視化にはポリステチレン製の蛍光ビーズを用いるが、有機溶媒中では蛍光試薬が溶出してしまうため不適切である。そこで、粒径100μm程度の蛍光シリカナノ粒子を作製した。シリカ粒子と有機溶媒の密度差は大きいため分散性が悪いが、粒子表面をオクタデシルシラン修飾することで有機溶媒中に粒子を分散することに成功した。 今後、抽出段効率と撹拌効果の関係を理論的に解析する。また、液液界面における境界条件のメカニズムを解明するため、作製した粒子を用いてマイクロParticle Image Velocimetryによりマイクロ液液平行二相向流の流速分布解析や分子動力学計算による解析を予定している。
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