2005 Fiscal Year Annual Research Report
連動可能な複数の可動部位を有する次世代分子機械の設計
Project/Area Number |
04J11533
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村岡 貴博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分子機械 / 不斉 / フェロセン / アゾベンゼン / 亜鉛ポルフィリン / 超分子化学 |
Research Abstract |
本研究では、単一分子で機械を作ることを目標としている。既に申請者は光異性化反応を行うアゾベンゼンと軸回転運動を行うフェロセンという異なる可動部位を連動させたキラル分子ハサミを報告している(Muraoka, T.; Kinbara, K.; Kobayashi, Y.; Aida, T. J. Am Chem. Soc. 2003, 125, 5612-5613.)。異なる複数の可動部位を連動させた分子機械はこれが最初の例である。申請者は新たに、キラル分子ハサミの先端に分子捕捉部位として2つの亜鉛ポルフィリン部位を導入したキラル分子ペンチの合成に成功した。この分子ペンチに対し、亜鉛ポルフィリンと強く相互作用する4,4'-ビイソキノリンをゲストとして加えると、キラル分子ペンチがゲストを超分子的に2点で強く捕まえ、さらにキラル分子ペンチの光による開閉運動により、捕まえたゲストをねじることに成功した。さらに、分子ペンチの動きがゲスト分子に直接伝わっていることを明らかにし、超分子的な結合を用いても分子の動きを相手の分子に伝えられることを見出した(Muraoka, T.; Kinbara, K.; Aida, T. Nature 2006, 440, 512-515.)。超分子的な動きの伝達を実現した系は、今回が初めてである。
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Research Products
(1 results)