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2006 Fiscal Year Annual Research Report

連動可能な複数の可動部位を有する次世代分子機械の設計

Research Project

Project/Area Number 04J11533
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

村岡 貴博  東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)

Keywords分子機械 / アゾベンゼン / フェロセン / 不斉 / 超分子化学 / 絶対配置 / 酸化還元 / ポルフィリン
Research Abstract

これまで本研究では、光異性化を行うアゾベンゼンと軸回転運動を行うフェロセンとが連動して動く分子ハサミを報告し、さらにその先端に2つの亜鉛ポルフィリンを導入した分子ペダルを用いることで、ルイス塩基性のゲスト分子を超分子的に捕まえ、ねじることに成功している。今年度は、新たな分子機械としてセルフロック機構を有する分子ローターを開発した。この分子ローターは鍵として働くビスピリジルエチレンのシス体と複合体を形成する。可視光を当て、鍵分子をトランス体へと異性化させるとこの複合体は解離する。この際ローター分子は自動的に分子内配位結合を有するロック構造へと変化し、ここでセルフロック機構が働いている。この機構は新たな分子機械の制御法である。
本研究では面不斉を有する1,1',3,3'-四置換フェロセンを用いてきたが、これまでこの様な四置換フェロセンの絶対配置は決定されていない。その決定に向け分子ハサミの1つの合成中間体のエナンチオマーに絶対配置既知のカンファースルホン酸を導入した化合物の単結晶を作成した。その構造解析から四置換フェロセンの絶対配置決定に成功し、そこから派生させることで、分子ハサミ、分子ペダル、分子ローターのすべての絶対配置を決定し、それらのCDスペルトルと対応付けることができた。
フェロセンは安定に一電子酸化反応を行うことが知られている。その性質を活かし、酸化還元を加えた分子ハサミの新たな制御方法の開発に挑戦した。トランス体の分子ハサミに対し紫外光を照射しシス体へと異性化させた後、酸化剤を加え分子ハサミを酸化させた。その後さらに紫外光を照射したところ、分子ハサミがシス体からトランス体へと戻る挙動が紫外可視吸収スペクトルから観測された。HPLCを用いた検討からもこの結果が支持された。これにより、酸化還元を用いることで紫外光だけで分子ハサミを可逆的に動かすことに成功した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2007 2006

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] Crystallographic and Chiroptical Studies on Tetraarylferrocenes for Use as Chiral Rotary Modules for Molecular Machines2007

    • Author(s)
      村岡 貴博
    • Journal Title

      Chemistry - A European Journal 13・6

      Pages: 1724

  • [Journal Article] Reversible Operation of Chiral Molecular Scissors by Redox and UV Light2007

    • Author(s)
      村岡 貴博
    • Journal Title

      Chemical Communications 14

      Pages: 1441

  • [Journal Article] A Self-Locking Molecule Operative with a Photoresponsive Key2006

    • Author(s)
      村岡 貴博
    • Journal Title

      Journal of the American Chemical Society 128・35

      Pages: 11600

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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