2004 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的不斉アミドカルボニル化反応及びマイクロカプセル化
Project/Area Number |
04J11548
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
萩尾 浩之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アミドカルボニル化 / N-アシル-α-アミノ酸 / 不斉触媒化 / 高分子 / カルセランド型白金触媒 |
Research Abstract |
本研究では、アミドカルボニル化反応の不斉触媒化へ向けた検討ならびに高分子固定化白金触媒の合成、反応への適用を検討した。 N-アシル-α-アミノ酸は、食品、医薬、飼料化合物などに幅広く用いられ、我々人類を含めた生命体にとって必要不可欠な化合物である。アミノ酸の合成法としてはこれまで多くの報告例があるが、アミドカルボニル化反応はアルデヒド、アミド、一酸化炭素からワンポットにてN-アシル-α-アミノ酸を合成する極めて有用な手法である。当研究室ではこれまでに白金錯体とホスフィン配位子の組み合わせが有効な触媒として機能することを見出している。そこで、本研究においてはまず、不斉触媒化へ向けて種々のボスフィン配位子の探索ならびに反応条件の検討を行った。しかしながら現段階では、優位なエナンチオ選択性を発現させるには至っていない。これは、系内に添加する酸が生成物のラセミ化を促進させることに由来するものと考えられる。そこで、高分子ならではのユニークな反応場を活用することでこの問題を回避できるのではないかと期待し、高分子上に白金を担持させた高分子カルセランド型白金触媒の合成検討を行った。その結果、白金が高分子上に効率的に固定化できることを明らかにした。しかしながら、固定化に用いるテトラキストリフェニルホスフィン錯体に含まれるリン原子が触媒中に残留してしまい、アミドカルボニル化反応は低収率でしか進行しないことが明らかになった。一方、本触媒はヒドロシリル化反応、水素化反応において白金の流出を伴うことなく有効に機能し、回収、再使用可能であることを見出した。また、同時にホスフィン錯体以外の白金源を用いる新たな固定化法も開発した。ここで調製された白金触媒は、アミドカルボニル化反応へ適用を行っていく上で有用な知見を与えるものである。
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Research Products
(1 results)