2004 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク制御した心筋細胞拍動リズム形成ダイナミクスの1細胞計測
Project/Area Number |
04J11559
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 健介 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 細胞集団化効果 / 構成的細胞培養法 / 心筋細胞 / 拍動リズム同期 / 拍動リズムゆらぎ |
Research Abstract |
本研究の目的は、組織、器官の最小機能単位である細胞の集団サイズ、ネットワークパターンを1細胞単位でコントロールしながら構成的に培養し、細胞集団サイズに依存したダイナミクスを段階的に計測、解析することで、細胞の集団化効果(コミュニティ・エフェクト)の解明を試み、この知見を下に、培養チップ上で組織モデルを構築することである。細胞集団化効果を定量的に研究するための新しい方法として、1細胞単位で任意の形状に細胞を配置、培養することができる、構成的細胞培養法を開発することに現在までに成功していた。本年度の研究では、 1.この培養法vを用いた心筋細胞拍動リズムの集団サイズ依存性についての検討 2.構成的培養法と電極を組み合わせた電気刺激システムの開発 を行った。 1.心筋細胞の拍動リズム同期の過程が、細胞集団サイズに依存して変化する現象を捉えることに新たに成功した。(Kojima, et al. Journal of Nanobiotech.2004)個々に拍動していた2個の心筋細胞が互いに結合して同期する場合と、同期して拍動していた2個の心筋細胞集団2つが互いに結合して同期する場合を比較した所、前者の例では同期する直前に片方の拍動が一旦停止し、もう片方に追従して拍動する様子が観察できたが、後者の例では拍動が停止して、追従するのではなく、連続的に同期する様子が観察された。また、拍動リズムゆらぎを比較した所、1個よりも2個、2個よりも4個の心筋細胞集団の拍動リズムの方が、ゆらぎが小さいことがわかった。以上のように、細胞集団サイズが心筋細胞集団の拍動リズム制御にとって重要な役割を担っていることを示唆する研究成果を新たに得ることができた。 2.細部集団化効果を更に詳しく解析するために、構成的培養法で制御された細胞集団に電気刺激を印加できる技術が有用であるが、この技術も確立することに成功した。
|
Research Products
(1 results)