2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11564
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原本 悦和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アフリカツメガエル / Nodal関連遺伝子 / TGF-βスーパーファミリー / 骨形成因子(BMP) / ヘテロダイマー |
Research Abstract |
ノーダル関連遺伝子はTGF-βスーパーファミリーに属する因子であり、脊椎動物の初期発生において、中内胚葉誘導や軸形成(前後軸・背腹軸・左右軸)など重要なイベントに関与することが知られている。アフリカツメガエルにおいては6種類のノーダル関連遺伝子が知られている。このうち、Xenopus nodal-related gene 3(以下Xnr3)はTGF-βスーパーファミリーに属する因子の間で保存されている7つのシステイン残基の中でもっともC末端側にあるシステイン残基を欠損しているという構造的特徴をもつほか、他のノーダル関連遺伝子が示す中内胚葉誘導能を持たず、神経誘導能を示すなど機能的にも興味深い。しかし、その作用機序は不明な点が多い。 Xnr3は骨形成因子(以下BMP)シグナルを阻害することにより神経誘導能を示す。この活性はTGF-βスーパーファミリーに属する因子がリガンドとして働くmature regionではなく、これまで独自の活性を持たないと考えられていたpro-regionによって担われていることを明らかにした。詳細な解析をおこなった結果、Xnr3 pro-regionのN末側とC末側にそれぞれ独立したBMP結合領域が存在し、これらを含む領域がBMPシグナルの阻害に重要であることを明らかにした。 NodalとBMPはヘテロダイマーを形成することにより互いのシグナルを阻害しあうことが知られている。解析の結果、Xnr3はBMPとヘテロダイマーを形成しないことが分かった。このことから、Xnr3によるBMPシグナルの阻害は主としてpro-regionの活性により担われていると考えられる。この他、Xnr3のmature regionについても興味深い結果を得ており、Xnr3の作用機序を知る手がかりになると思われる。
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Research Products
(1 results)