2005 Fiscal Year Annual Research Report
fMRIによる大脳領野間有効結合推定法の実験的検証:局所的皮質不活性化による研究
Project/Area Number |
04J11569
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
足立 雄哉 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | fMRI / マカクザル / GABA作動薬 / 微小注入 / 急速眼球運動 / 前頭眼野 |
Research Abstract |
本研究では、マカクザル前頭眼野不活性化に伴う急速眼球運動課題遂行障害中に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)実験を行い、局所不活性化にともなう全脳領域における活動の変化と、領野間の機能結合の変化とを計測することを目的としている。本年度はそのための予備実験・準備として、主に(1)マカクザル前頭眼野をGABA作動薬(ムシモル)溶液の注入により不活性化し、それに伴う急速眼球運動課題中の行動の変化を観測するための実験、(2)電気生理学的手法・微小注入といった侵襲的手法を、fMRIと併用するために必要となる装置・道具の開発、を行ってきた。(1)には、マカクザルの急速眼球運動課題遂行の訓練、実験に必要となるサルの手術、電気生理学的な手法による前頭眼野の生理学的性質の確認、微小注入実験手法の確立、注入部位近傍における神経活動の変化の観察などが含まれている。(2)については、本研究のように侵襲的手法とfMRIとを併用した研究例はいまだ少数であり、手法が確立しているわけではない。従来のサルを用いた慢性実験において、電極や微小注入器具を固定するためにサル頭部に施される処置や取り付けられる装置は、そのままではMRI機能画像に信号の強度や形状のゆがみの面で悪影響を及ぼすことがわかっている。これを改善するため、その原因の追究をおこない、改良した手法を考案・作製した。そのほかには、当研究室の4.7テスラMRIシステム内グラディエントコイルのアップグレードを行い、その後の検証の結果大幅な機能画像データの質の向上が確認された。
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