2005 Fiscal Year Annual Research Report
アミノアシルtRNA合成酵素複合体のX線結晶構造解析による基質認識,反応構構解明
Project/Area Number |
04J11594
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福永 流也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アミノアシルtRNA合成酵素 / 校正反応 / tRNA / ロイシルtRNA合成酵素 / X線結晶構造解析 / バリアブルアーム / 認識決定部位 / Pyrococcus horikoshii |
Research Abstract |
古細菌Pyrococcus horikoshii由来のロイシルtRNA合成酵素(LeuRS)・tRNA^<Leu>との複合体の結晶化とX線結晶構造解析に成功した(3.2Å分解能)。LeuRSに特徴的なC端ドメインがtRNA^<Leu>の特徴的な長いバリアブルアームの先端の塩基を認識していた。変異体解析を行ってC末端の吸う残基がtRNAの認識に重要な役割を果たしていることを明らかにした。tRNAの3'末端はアミノアシル化部位に入り込んでいた。これは校正反応ドメインをもつアミノアシルtRNA合成酵素で「アミノアシル化状態」の構造をとらえた初めての成果である。校正反応ドメインが動くことによりtRNAとの衝突を回避してアミノアシル化部位にtRNAの3'末端を受け入れていることが明らかとなった。また、構造中で2種類の認識決定部位の認識様式が見られ、tRNAの末端をアミノアシル化部位から校正反応部位へ移動させるのに認識決定部位の認識様式の変化を経ていることが推測された。すなわち、"A mode"でアミノアシル化活性部位に入り込み、アミノアシル化を受けたtRNAは、そのアミノアシル化を契機として"B mode"へと構造を変化させる。A modeはアミノアシル化に適したモードであるのに対して、Bモードはアミノアシル化部位から抜け出して校正反応部位へとtRNA移るのに適したモードである。この成果を国際学会での口頭発表と論文で発表した。(Fukunaga, R. and Yokoyama, S., Nat Struct Mol Biol., 12, 915-922, 2005)
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Research Products
(4 results)