2004 Fiscal Year Annual Research Report
siRNA発現ベクターライブラリーを用いた紫外線誘導アポトーシスネットワーク解析
Project/Area Number |
04J11610
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
カシム V 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNAi / siRNA発現ベクター / siRNA発現ベクターライブラリー / 紫外線 / アポトーシス / TNF-α / Cre / loxP組み換えシステム / Cre recombinase |
Research Abstract |
本研究では、siRNA発現ベクターライブラリーを用いて、有用な新規機能遺伝子を網羅的に同定することを目指している。今回は、紫外線誘導アポトーシスにおける関連遺伝子の探索を試みた。まず、紫外線によって誘導され、炎症を引き起こすサイトカインであるTNF-αとIL-1αを指標に、pathwayの上流を解析することにした。TNF-αとIL-1αを測定するために用いられているELISA法の条件を検討し、感度の高い測定系を確立した。また、ヒト由来の上皮ヒフがん細胞であるA431と、ファーストスクリーニングに用いる導入効率の良いHeLaS3細胞で、TNF-αの上昇を誘導する紫外線の条件を検討し、上昇を確認した。現在、ポジティブコントロールを用いたスクリーニング条件を設定しているが、ベクターの導入により、TNF-αの上昇が影響を受けるという問題が判明し、より詳細に検討する必要性が生じている。今後は、他のスクリーング系も考慮しつつ、引き続き、スクリーニング条件の検討を行う予定である。 一方、培養細胞系で確認したRNAiの効果は、最終的には組織特異的に、または個体で確認する必要がある。私達が使っているsiRNAの発現ベクターはpol III系であるU6 promoterを用いている。U6 promoterは転写量が多いが、時間、場所特異的な発現ができない。そこで、私はCre-loxP組み換えシステムを用いて、Cre recombinase蛋白質の存在下でのみ活性のあるsiRNAを発現し、RNAiを引き起こすことのできるsiRNA発現ベクター系を開発して、Cre recombinase蛋白質依存的にRNAiを引き起こすことに成功した。これに関する研究は、Nucleic Acids Researdh誌に報告した(Nucleic Acids Research,32,e66(2004))。
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Research Products
(1 results)