2006 Fiscal Year Annual Research Report
鱗翅目昆虫とバキュロウイルス間の遺伝子水平転移とその生物学的意義の解明
Project/Area Number |
04J11613
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大門 高明 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | chitinase / baculovirus / horizontal gene transfer / カイコ |
Research Abstract |
カイコ全ゲノム情報や鱗翅目昆虫のトランスクリプトームデータベースを利用して、バキュロウイルスと鱗翅目昆虫の問に保存されたORFを探索したところ、数十のORFが保存されていることが明らかになった。系統解析の結果、その中の複数個のORFは、宿主昆虫からのgene captureによってウイルスゲノムに水平転移した可能性が示唆された。本年度は、この水平転移産物の候補遺伝子であるchitinase遺伝子について、特に詳細に機能解析を行った。 バキュロウイルスのキチナーゼ遺伝子(v-chiA)と、そのカイコホモログBmChi-h遺伝子との比較解析を行ったところ、細胞内局在・アルカリ適応・プロテアーゼの活性化というV-CHIAで観察されるユニークな性質は、BmCHI-hには存在しないことが明らかになった。この事実は、バキュロウイルスは宿主の液状化という生物学的機能を果たすために、キチナーゼ遺伝子を獲得した後に、大規模にv-chiAの性質を改変してきたことを示唆する。さらに、V-CHIAが死亡宿主の液状化にどのように関わるのかを調べるために、活性部位に変異を入れたV-CHIAや、別のバキュロウイルスであるCydiapomonella granulovirus (CpGV)のキチナーゼの機能解析を行った。その結果、V-CHIAにはシャペロン様の活性があり、V-CHIAはウイルスがコードするシステインプロテアーゼの正常なフォールディングに必須であることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)