2004 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞における新規アセチル化およびメチル化蛋白質の同定とその機能解析
Project/Area Number |
04J11640
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島津 忠広 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | acetylation / methylation / large T antigen / CPSF5 / HSP70 |
Research Abstract |
アセチル化蛋白質large T antigen(以下T-Ag)の脱アセチル化酵素としてクラスI・HDACのHDAC1,HDAC3およびクラスIII・HDACのSIRT1を同定した。さらに、アセチル化修飾の役割を解明するために実験を行ったところ、アセチル化を受けることによりT-Agの分解が促進されることを見出した。また、プロテアソーム阻害剤のMG132処理によってもT-Agの分解速度が変化しなかったことから、この分解はユビキチン-プロテアソーム系による分解ではないことが判明した。また、アセチル化蛋白質CPSF5に関しても脱アセチル化酵素としてHDAC1,HDAC3,HDAC10,SIRT1およびSIRT2を同定した。CPSF5のアセチル化の機能に関しては現在検討中であるが、蛋白質の安定性やCFI_m-68とのヘテロダイマー形成にはアセチル化による影響がないことを明らかにした。 メチル化蛋白質HSP70に関しては、ジメチル化アミノ酸残基であるLys561に特異的なポリクローナル抗体を作製し、メチル化HSP70の細胞内局在を蛍光抗体染色法によって観察した。その結果、メチル化HSP70はMG132処理によって核小体およびアグリソームに局在することを見出した。さらにHSP70のメチル化にはHSP70のシャペロン活性が必要であることを見出し、このことからHSP70のシャペロン活性とメチル化修飾には関連があることが示唆された。
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