2005 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線誘発皮膚傷害の発現機構に関する実験病理学的研究
Project/Area Number |
04J11659
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 太郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | YPCマウス / 毛包 / SGK3 |
Research Abstract |
前年度に行った、Sgk3(Sgk1)遺伝子変異YPCマウスの毛包についての解析をさらに進めた。 まず、wtおよびYPCマウスの背部皮膚におけるSGK3タンパクの発現を免疫組織化学とWestern blotにより解析した。その結果、SGK3の発現はwt、YPC双方の毛包において確認され、YPCはSgk3に変異を有しているものの、タンパクは生成されていることが強く示唆された。YPCマウスの背部皮膚においては、SGK3の基質の一つであるGSK3□のリン酸化が抑制されており、YPCにおけるSGK3タンパクは機能的に不完全であることが示唆された。 上記の実験と平行してYPCマウスのC57/B6J系統へのcongenic化を行い、その結果からYPCマウスが一昨年と昨年に発表されたSgk3KOマウス^<1,2>と異なった毛包の表現系を示すことが明らかとなった。また、前年度からの組織学的解析により、YPCマウスは毛周期に異常があることが示されているが、YPCとSgk3KOでは毛周期パターンが異なっていることが強く示唆され、これが表現系の差異に寄与している可能性が考えられた。 以上より、YPCマウスの解析から、SGK3がマウス毛包の形成と維持に重要かつ多面的な役割を果たしていることが示された。これらのデータをまとめた論文はAm J Pathol誌に受理され、現在印刷中である^3。 <参照> 1.McCormick JA, Feng Y, Dawson K, et al. Mol Biol Cell 2004, 15:4278-4288 2.Alonso L, Okada H, Pasolli HA, et al. J Cell Biol 2005, 170:559-570 3.Okada T, Ishii Y, Masujin K, et al. Am J Pathol 2006, in press
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