2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナンセンス変異の認識を介したmRNA分解(NMD)活性化機構の解明
Project/Area Number |
04J11724
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 真也 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | mRNA 分解 / NMD / RNA 結合蛋白質 |
Research Abstract |
近年、真核細胞におけるmRNAサーベランス機能のひとつとして、転写・複製中のエラーやスプライシング時のエラーにより生じる不適切な翻訳終結コドン(ナンセンス変異)を含むmRNAを選択的に分解するNMD(Nonsense-Mediated mRNA Decay)経路と呼ばれる監視機構の存在が明らかとなってきた。 既存のNMD関連因子は、まず遺伝学的に単離された後に、ナンセンス変異を含むmRNA上に局在し機能することが明らかとなってきた。しかし、分解経路の活性化を担う因子をはじめとしたNMD特異的な制御因子は不明である。 そこで私はNMD経路で分解されるmRNA上の局在を指標とした生化学的手法を用いて、NMD特異的因子の網羅的な単離を試みている。具体的にはHIVウイルス由来のmRNA配列特異的なRNA結合蛋白質(λN)認識配列を組み込んだ、正常なレポーター遺伝子と、それにナンセンス変異を含ませた遺伝子の2種類を用意し、それぞれを出芽酵母細胞に導入し、λN蛋白質-レポーターmRNA複合体を免疫沈降した後、SDS-PAGE上で展開し、ナンセンス変異を含ませた株から特異的なバンドを検出し、MARDI TOF-MASSによって蛋白質を単離同定する方法を試みることにした。 現在、レポーター遺伝子として2種類の遺伝子を選択し、酵母細胞内でのmRNA発現系を確立した。また、ナンセンス変異を含ませたレポーターmRNAは即座に分解されていることをNorthern法により確認している。 今後はRNA結合蛋白質(λN)が、自身の認識配列依存的にmRNAに結合していることをNorth-Western法により確認し、系の確立を進めていきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)