2004 Fiscal Year Annual Research Report
ユニークな生化学的性状と発現を示す新規Rasファミリー蛋白質群の包括的解析
Project/Area Number |
04J11725
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多田 稔 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 低分子量G蛋白質 / Ras / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
現在までに詳細に検討が進められている既存のRasファミリー蛋白質は、細胞外からの刺激に応答したシグナル伝達のON/OFFを担う制御因子として重要な役割を果たしている。私はこのようなRasファミリー蛋白質の重要性に着目し、Rasとの相同性を用いたヒトゲノムデータベースのスクリーニングを行うことで複数の新規Rasファミリー蛋白質を同定した。これらは一次構造上、既存のRasとは異なるユニークな特徴を有しており、特異的な情報伝達経路に関与することが期待される。 本年度はこれら新規蛋白質群のうち、多くの癌細胞において欠失の認められるヒト22番染色体にコードされるRasファミリー蛋白質RRP22について以下に示す知見を得た。 1)RRP22は細胞内において主にGTP結合型で存在し、他のRasファミリー蛋白質には存在しない独自の挿入配列中にリン酸化修飾をうけることを示した。 2)培養細胞内においてRRP22は主に核小体に局在することを示した。一方、グアニンヌクレオチドとの結合能を欠きGDP結合型に近い構造をとると考えられる変異体では核小体を除く核質中に局在したことから、RRP22はそのグアニンヌクレオチド型に依存して核小体に局在する可能性が示唆された。 現在はRRP22が核小体においてどのような生理機能を担うのかを明らかにする目的で、核小体に局在する種々の蛋白質との相互作用について検討するとともに、過剰発現および発現抑制による細胞の表現型を解析している。
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Research Products
(1 results)