2006 Fiscal Year Annual Research Report
インビトロ再構成系を用いたγセクレターゼによる蛋白質切断機構に関する研究
Project/Area Number |
04J11727
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 幾雄 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | アルツハイマー病 / γセクレターゼ / バキュロウイルス / 膜蛋白質切断 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)患者脳内に蓄積する老人斑の主成分は、アミロイドβ蛋白質(Aβ)である。AβはAD発症に深く関わるとされ、その産生を担うγセクレターゼの切断機構の解明は、ADの病因解明、治療・予防薬の開発にあたって極めて重要である。近年FAD病因遺伝子産物であるpresenilinを中心としたnicastrin(NCT)、APH-1、PEN-2を含む高分子量膜蛋白質複合体がγセクレターゼの本体であるとする結果が集積しつつある。NCTはγ-secretase複合体を構成する膜蛋白質の一つであり、基質の受容体として機能することが知られている。 本年度の研究では、Sf9-baculovirus発現系において発芽型ウイルス粒子(BV)上に機能型膜蛋白質が集積することに注目し、γ-secretase活性をmodulateする機能抗体の作製を目的として、NCTを発現させたBVを免疫原として抗NCTモノクローナル抗体を作製した。 その結果、免疫染色、免疫沈降、ウェスタンブロットにおいて機能型NCTを認識する抗体A5226Aが得ることに成功した。また、、A5226はin vitro γ-secretase活性を有意に阻害し、γ-secretase活性依存的な癌細胞の増殖を抑制することを見出した。これらの結果から、A5226AはNCTを標的としたADおよび癌の抗体治療薬として有効と考えられる。
|
Research Products
(1 results)