2004 Fiscal Year Annual Research Report
3次元MRI動画記録法と機能的MRI画像法を用いた音声言語生成のメカニズム
Project/Area Number |
04J11761
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
品川 英朗 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | fMRI / MRI movie / brain imaging / tongue / articulation / cleft lip and palate / morphometry / atrophy |
Research Abstract |
本研究は、MRIを用いて、ヒトの音声言語生成のメカニズムについて、末梢・中枢の両面から明らかにすることを目的としている。具体的には、口唇・舌・歯・軟および硬口蓋といった調音器官が音声言語生成に際してどのような役割を担っているかを明らかにすることである。 機能的MRI (functional MRI)を用いて、脳機能と顎顔面口腔領域との関係を明らかにするための研究を行った。特に調音器官の一つであるヒトの舌に着目し、随意性舌運動に伴う脳賦活領域の同定を行った。随意性舌運動に対して、両側の大脳皮質一次感覚運動野の関与が認められ、さらに習慣性咀嚼側とその対側の大脳皮質一次感覚運動野が舌の運動機能において優位に支配しているという事実を明らかにした。また現在、構音器官である口唇、軟口蓋あるいは歯列弓にcleftを有する口唇口蓋裂患者の発音機能を通して、調音器官が音声言語生成に対して与える影響について中枢評価を行っている。 またMRI動画記録法を用いて、発音機能について末梢評価も行っている。心臓cineシークエンスを利用して、二次元、三次元のMRI動画構築を行っている。さらにマルチデータ収集により、撮像時間の短縮、患者への負担の軽減を目的とした新しい試みも行っている。これまでに、口唇口蓋裂患者の調音運動時の口腔咽頭領域における断面積の時間的変化の抽出および二次元、三次元評価を行い、臨床診断への応用も試みた。 また頭蓋顔面発育と脳形態は密接な関係があるため、脳の形態計測法であるVBM (voxel-based morphometry)を用いて、脳の形態評価についての研究も行っている。特に言語・発音に関与する脳の形態的変化が音声言語生成に際し、機能的にどのような影響を与えるのかについて研究を進めている。 以上述べた内容のうち、既にいくつかの成果は学会発表および論文発表を行った。
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Research Products
(5 results)