2004 Fiscal Year Annual Research Report
価値多元化社会における徳と教育:古代ギリシア徳倫理学と現代リベラリズムの観点から
Project/Area Number |
04J11812
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片山 勝茂 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 徳倫理学 / 道徳教育 / リベラリズム / 感情 / 価値多元化社会 / 美的なもの / 徳 / 幸福 |
Research Abstract |
まず、徳倫理学に基づく道徳教育が価値多元化社会で実行可能かどうかを検討した論考を、編者であるJoseph Dunne及びPadraig Hoganによる詳しい紹介、コメントを付した上で、Education and Practiceという専門書の形で出版した。 また、徳の働きとしての感情と道徳的判断力、それに徳の一種としての実践理性(充実した生き方を自ら考え、反省し、追及する能力)とそれぞれの教育についての研究を行い、「美的なものと道徳」という論文にまとめた。その際、英国ロンドン大学で在外研究を行った利点を生かし、価値多元化社会の英国の学校教育の実践例を多数紹介、分析した。この論文は近く、『道徳教育の可能性』という書籍の形で出版される予定である。この研究成果を踏まえる形で、現在、Educating Virtues and Emotionsという論文を執筆しており、近く国際学術誌に投稿予定である。 さらに、わが国における道徳教育の最先端の研究を批判的に検討し、自らの研究を相対化させる研究を行い、「道徳的規範を伝達することは必要か?」という論考にまとめた。この論考は『近代教育フォーラム』という学会誌に収録予定である。 それから、ロールズのリベラリズムの立場から公民的諸徳を教育する必要性を論証する研究を行い、The Liberal Case for Cultivating Virtuesという題の論文にまとめ、現在、国際学術誌に投稿・審査中である。 また、徳、幸福及び教育の関係に関する理論的研究をThe Eudaemonic Case for Cultivating Virtuesという論文にまとめている最中であり、近く国際学術誌に投稿予定である。
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Research Products
(3 results)