2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11896
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 正和 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 発癌 / ウイルス |
Research Abstract |
過去に申請者はHTLV-1がマウスに長期持続感染することを立証し、二次リンパ器官(脾臓・リンパ節)でクローナルな増殖を行なわれていることを明らかにした。しかしATL様のTリンパ腫瘍形成は2年以上飼育しても発症に至ることはなかった。 そこで今年度は様々な系統のマウスにまずHTLV-1を感染させ、感染成立後のマウスに放射線照射した群においてTリンパ腫(とりわけ胸腺において)が形成するかを性別・週齢・照射量・照射回数等の条件検討中である。照射6か月後において、体重減少並びに脱毛症状等の現象は認められていないが経過観察中である。また二次リンパ器官内での感染細胞のクローン性(プロウイルスの挿入部位が同一な細胞)とプロウイルス量について感染後の時間的推移(感染後短期2か月と長期18か月)での相関性を調べた。プロウイルス量の変動はあまり見られなかったものの1クローン当たりのコピー数が増大していた。現在、投稿準備段階である。 更にプロウイルスの近傍に組み込まれた遺伝子とHTLV-1との関連性について、細胞培養系において過剰発現させて検証しており、immortalize済みのATL由来の細胞株のHut102細胞では、HTLV-1挿入近傍遺伝子としてIL-15遺伝子が同定されており過剰発現していることの確認を行った。現在、RNAiを用いた時におけるウイルス感染性の違いを検討している。またATL癌サンプルを用いてHTLV-1プロウイルスの挿入部位を同定することで、HTLV-1が挿入された近傍の遺伝子異常を調べ、癌化への必要な因子を見出そうとしている。
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